神の視点で書いてみる
それは彼にとって日々欠かせぬ儀式の様なものだろう。いつもの場所に立ち、少しの迷いも無い動きで右手を動かしている。チャリンチャリンピッ――ガコンッチャリン、ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ予想外な事が起きたのか、数百分の一秒単位の驚きを見せた後、彼の表情が曇る。重い息をひとつ吐きだすと、彼はおつりを取り出し始める。つり銭口には四百円がそこにあったが、その中の百円分が十円硬貨となっていた。五十円硬貨の存在が無い。拾い上げている中、そのことに気づいた彼は表情をまたも曇らせた。全てを計算した上で硬貨投入をした、それなのに──、ということらしい。彼の目論見は五百十円で百十円のコーヒーを買い、おつりをたった四枚の百円硬貨で済ますことだったのだから、それが十三枚もの硬貨になってしまっては……。(完)教訓。自販機への硬貨の連続投入時はちゃんと投入額の表示を確認しましょう